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サーフェイス・プリパレーション(基底材の下準備)
索引:
- はじめに
- 紙、ボード紙などの紙類
- キャンバス/リネン
- ストレッチキャンバス/リネン
- 下準備していないキャンバス
- すでに地塗り材が塗ってあるキャンバス
- コンクリート
- ファイバーグラス
- 石膏ボード
- 石膏/しっくい
- ガラス/セラミックタイル
- 木材
- チップボール & MDF中密度繊維板
- 布
- 金属
- プラスチック & メラミン
- ファイバーセメントボード
- 石
- ビデオ
はじめに
マティスカラーはどのような表面にも描く事が出来ますが、どのような下地に描くかは仕上がりの良し悪しを左右します。アーティストが作品を作る為に選ぶ基底材は、ほとんどの場合下準備はあまり必要ではありませんが、ここではいろいろな基底材別にどのような下準備をしたら良いのかを説明します。
紙、ボード紙などの紙類
一般的にマティスカラーは、紙やボード、カードボードに下地を塗らずに描く事が出来ます。ここで、出来るだけ質の良い紙やボードを使う事をお勧めします。なぜならマティスカラーは、耐光性、耐水性ともに専門家品質の為紙を保護する役割もありますが、品質の悪い紙を良品質に変える事は出来ません。
ほとんどどのような紙類でも描く事が出来ますが、300gsm以下の薄い紙はカールしてしまう可能性があります。(ウォーターカラー・テクニックをご覧下さい。)
もし薄い紙で浸透の高いもの使う際に、浸透を妨げたい場合は、MM7ポリマーグロス・ワニスを水で二倍に薄めたものを二層塗ってから描き始めてください。これにより絵具をより確実に表面に定着させ、さらに目止め材としての効果もあります。マティスカラーは、ほとんど無限の耐久性を持っていますが、紙には限界があります。MM7ポリマーグロス・ワニスで下地を作る事で、復元作業を可能にする事が出来ます。
もし、下処理をした紙を希望する場合は、MM10ジェッソを水で二倍に薄めて下地に使います。これはどの程度の浸透性を紙にもたらせたいかによって、薄める倍数や何層塗るかを決める事が出来ます。あまり厚く塗る事はお勧めしません。亀裂が走る恐れがあります。もし厚めの下地を作りたい場合は、MM2インパスト・メディウムを使って厚みを出してください。
キャンバス/リネン
マティスカラーは、そのままで綿、リネン、黄麻、キャンバス、ポリエステル、ポリプロピレンやファイバーグラス等、ほとんどの布に描く事が出来ます。
綿やその他の自然の布は、幅広く使われていますが、湿度や温度等の環境に左右されるという生来の問題もあります。これはいろいろな面に影響を及ぼします。自然の布は空気中の水分を吸収する性質があります:これにより布地が膨らむ事になります。水分を吸収し過ぎて,膨らんだり、縮んだりする事によって、早い時期に亀裂が生じる可能性が出てくるのですが、アクリル絵具にとって不利な要素と言う訳ではありません。なぜならアクリルの特性の弾力性があるからです。これは油絵具にとっては不利な要素になる可能性があります。しかしながら、キャンバスはこの伸縮に耐えかねて、そのうち崩壊する可能性があります。さらに、水分はバクテリアを育てる事にもなりかねません。長い目で見た場合、合成繊維のキャンバスは、自然の布に比べて水分の吸収率が低いため、バクテリアやカビが生える可能性は低くなります。
ストレッチキャンバス/リネン
これはキャンバスが、通常木等で特別に作られたストレッチャーに張られたものを言います。このストレッチャー・バーは、外面から中面の方へ斜面状になっている為、キャンバスが触れているのは外側だけになります。これはストレッチャー・バーの中側が、キャンバスに触れない様にする為で、画面にストレッチャー・バーの型が残らない様にする為です。
下準備していないキャンバス
合成繊維のキャンバスではなく、自然の布によるキャンバスに下地を塗った場合布は縮みます。縮みの度合いはキャンバスの重さやタイプによって変わってきます。MM10ジェッソを水で二倍に薄めて、二重に塗る事でキャンバスに浸透して結びつける役割をします。ジェッソに混ぜる水が50%以下になる様にして、キャンバスの吸収率がどの程度か、アーティストがどの様な下地を要求するかによって比率を変えます。MM10ジェッソは、層と層の間を紙ヤスリ等で滑らかにする事が出来ます。これによりキャンバスの布目がほとんど見えない状態にする事も可能です。
もしも生のキャンバスにそのまま描きたい場合は、マティスの絵具をそのまま使う事が出来ます。しかし、MM12クリアー・シーラーやMM7ポリマーグロス・ワニス、 MM6ポリマーマット・ワニス等で目止めをする事をお勧めします。目止めをする事によって、作品の寿命を長くする事が可能になるからです。キャンバスが多孔性の場合、シミが付きやすいのも事実です:目止めをする事によってこの性質を最低限にする事が出来ます。さらに、目止めをする事によって、カビやバクテリアからキャンバスを守る事にもなります。その上、水で薄めた絵具が、キャンバスを通って裏側にシミを作る事も避けられます。
すでに地塗り材が塗ってあるキャンバス
アーティストが用いる全ての下地(基底材)は、将来に備えたものである事が望ましいです。有名ブランドのキャンバスにしても、よくリネンやフレームの質にこだわってはいるが、下地剤がアーティストの基準に合っているとは限りません。
もしも、アーティストが完全に確かな下地を作りたい場合、軽く地塗り材が塗ってあるキャンバスをサンドペーパーでこすります(これはあくまでも軽くサンドペーパーを掛けるのであって、地塗り材が無くなるまで磨くという事ではありません。)MM10ジェッソ を水で二倍に薄めたものを塗ります。次の層では、MM10ジェッソをそのまま、又は好みの濃度で塗って完全な下地を作ります。
コンクリート
コンクリートの表面は、埃や油脂や油等が残らない様にきれいに掃除をします。砂や、微量な粒子等が残らない様にします。きれいに掃除が出来たら、MM10ジェッソを塗ります。必要であれば水で薄める事も可能です。もし、コンクリートが新しい場合、アルカリ性の残留物がある可能性があるため、 MM12クリアーシーラーで残留物を目止めしてから、MM10ジェッソ を塗る事をお勧めします。アルカリ性の残留物が、アクリル絵具にある程度高い濃度で触れると、色によっては影響を受ける可能性があります。
表面がつるつるしたコンクリートや、磨かれているコンクリートは、一度サンドブラストで磨き、下地剤が接着しやすい様にします。サンドブラストで磨いた後も、砂や埃、微粒子等残らない様にきれいに掃除してから、MM10ジェッソを塗ります。もし、表面がまだつるつるしているようであれば、MM7ポリマーグロス・ワニス&グロス・メディウムを、MM10ジェッソを塗る前に塗る事をお勧めします。
ファイバーグラス
浸透性の無い表面を下地として使う場合、研磨や、機械的な圧力やその成分が長い年月耐えられるかどうかによって、問題が起こる場合があります。下地剤をしっかり塗っているもの程、長持ちします。これから作る作品に、合うかどうかのテストを必ずされる事をお勧めします。
ファイバーグラスの表面は軽くサンドペーパーや、ワイヤーブラシ等で傷をつけて、埃や油脂、油分等が残らない様にきれいにします。MM7ポリマーグロス・ワニスを結合剤として塗り、MM10ジェッソ.をその上に塗ります。48時間は乾燥させてから、しっかり接着されているかのテストを行います。2cm程のXマークになる様に傷をつけます。この際、下地剤まで届く様に傷をつけてみましょう。Xの上にマスキングテープを貼り、剥がしてみて絵具が一緒にはがれるかを見ます。もし絵具がはがれてきた場合は、下地としては長持ちするものではありません。作品が出来上がったら、MM7ポリマーグロス・ワニスを塗って作品を保護する事をお勧めします。もしも作品が雨風にさらされる様なものであるならば、最終コートはMM14ファイナルワニス・グロスフィニッシュをお使いください。
石膏ボード
マティス・カラーは、埃や油脂、油分を取り除いた石膏ボードには、直接描く事が出来ます。必要であれば、MM10ジェッソを塗る事で、ちょうど良いざらつきで、きれいな明るい下地を作る事も可能です。もし、石膏ボードに小さな孔が沢山ある場合は、MM10ジェッソを塗る事をお勧めします。作品が出来上がったら、MM7ポリマーグロス・ワニスを塗って作品を保護する事をお勧めします。もしも作品が雨風にさらされる様なものであれば、MM14ファイナルワニス・グロスフィニッシュをお使いください。
石膏/しっくい
できたての石膏や塗り立ての漆喰等は、最低でも2週間は乾燥させてから、MM12クリアー・シーラーを塗ってください。それから、MM10ジェッソ を下地として塗るか、又はマティスカラーをそのままクリアー・シーラーの上から塗る事が出来ます。 作品が出来上がったら、MM7ポリマーグロス・ワニスを塗って作品を保護する事をお勧めします。もしも作品が雨風にさらされる様なものであれば、MM14ファイナルワニス・グロスフィニッシュをお使いください。
ガラス/セラミックタイル
マティスカラーはガラスやタイルに描く事が出来ます。一定の条件の元では、半永久的に保存は出来ますが、食器洗い機等には入れられません。まず、MM7ポリマーグロス・ワニスを水で薄めずに塗ります。その上に絵具で好きなデザインを描き、最後にMM7ポリマーグロス・ワニスで作品を保護する事をお勧めします。
もしも透明感のある仕上がりにしたい場合は、マティスカラーを使う際に、水の代わりにMM7ポリマーグロス・ワニスを使います。この方法を使う事で、さらに作品を耐久性の高いものにします。
磨りガラスの様な仕上がりにしたい場合は、MM4ジェル・メディウムをガラスの上に塗ります。詳しくはMM4ジェル・メディウムのセクションをご覧下さい。
確かに上記の方法で、装飾的な物や窓等を耐久性の高い作品に仕上げる事は可能ですが、実用性のある物、例えば、ガラスコップやお皿等にはご使用ならない様にお願いします。今日、水性の商品で、ガラスやセラミックタイル等に接着させたり、釜処理を出来たりする物はありません。
木材
マティスカラーは、埃や油脂、油分を取り除いた木に直接描く事が出来ます。もしも木の樹液が多かったり、青かったりする場合は、MM12クリアー・シーラーを使って薄い目止めをする事をお勧めします。 必要であれば、MM10ジェッソを塗る事で、ちょうど良いざらつきで、きれいな明るい下地を作る事も可能です。もしマティス・バックグラウンド・カラーを下地に塗る場合は、若木でない限りシーラーを塗る必要はありません。バックグラウンド・カラーには既にシーラーがはいっています。最終コートにMM7ポリマーグロス・ワニスやMM6ポリマーマット・ワニスを塗って作品を保護する事をお勧めします。もしも作品が、日光や、雨風にさらされるようでしたら、耐熱の仕上がりになる、MM11サテン・フィニッシュか、MM19ポリユー・グロスワニスを塗る事をお勧めします。
チップボール & MDF中密度繊維板
必要であれば、MM10ジェッソを塗る事で、ちょうど良いざらつきで、きれいな明るい下地を作る事が可能です。マティス・バックグラウンド・カラーを使う場合は、よほど多孔なチップボードでない限りシーラーは必要ありません。バックグラウンド・カラーにはシーラーが入っています。作品が出来上がったら、MM7ポリマーグロス・ワニスかMM6ポリマーマット・ワニスを使って作品の保護をする事をお勧めします。もしも作品が、日光や、雨風にさらされるようでしたら、耐熱の仕上がりになる、MM11サテン・フィニッシュか、MM19ポリユー・グロスワニスを塗る事をお勧めします。
もし、バックグラウンド・カラーを塗って、端が毛羽立ったりする場合は、MM26トランスパレント・ジェッソ(パステル用の下地)を塗り、紙ヤスリ等でならしてからもう一度バックグラウンド・カラーを塗ります。MM26トランスパレント・ジェッソは、本来はパステル用の下地剤ですが、多くのフォークアーティスト達に上記の理由で愛用されています。
チップボードやMDFが、雨等にさらされる場合、全てのボード部分を絵具でカバーするか、ワニスでカバーする事で、ボードの水分吸収や歪み、崩壊を止めるようにします。マティスカラーは、正確に扱われた場合ボードの寿命を延長する事が可能ですが、さらに長い寿命をお考えの場合は、チップボードやMDFに変わる耐久性の高い物をお勧めします。
布
通常、マティスカラーは、ほとんどの布に描く事が出来ます。もしも布を洗濯したり、雨風にさらされたりする可能性があるのであれば、MM13ファブリック・フィクセティブをお使いください。詳しくはファブリック・ペインティングをご覧下さい。
金属
非鉄金属、銅、アルミ、真鍮や亜鉛等の金属は、サンドペーパーやワイヤーブラシ等で傷をつけて、埃や酸化されている部分、油脂、油を取り除きそのままマティスカラーを塗る事が出来ます。MM7ポリマーグロス・ワニスを下地として塗る事で、接着度を上げる事が出来ます。
鉄金属の鉄や、鋳鉄、銅鉄、缶は、サンドブラスト又はワイヤーブラシを掛けて、酸化されている部分等をきれいにします。ここで沢山のアーティスト達は、MM7ポリマーグロス・ワニスを下地として塗る事で、作業のしやすい下地を作る事が出来るのを知っています。ただ、作品が塩分の多い、湿気も多い場所に置かれるのであれば、MM7ポリマーグロス・ワニスの代わりに、水性の錆び止め剤をお使いください。
プラスチック & メラミン
マティスカラーは、ほとんどのプラスチックに接着します。浸透性の無い材料、パースペクスやメラミン樹脂、ナイロン等は軽く紙ヤスリを掛けてから、MM7ポリマーグロス・ワニスやMM12クリアーシーラーを塗って下地とします。作品が出来上がったら、MM7ポリマーグロス・ワニスを最終コートとして、作品を保護します。
注意:浸透性の無いプラスチックに描く事は可能ですが、耐摩擦性のプラスチックや、メラミン樹脂で出来ているもの(キッチンベンチ等)に描く事は避けましょう。
ファイバーセメントボード
マティスカラーは、埃や油脂、油を取り除いたファイバーセメントボードに直接描く事が出来ます。 必要であれば、MM10ジェッソを塗る事で、ちょうど良いざらつきで、きれいな明るい下地を作る事が可能です。もしマティス・バックグラウンド・カラーを下地に塗る場合は、シーラーを塗る必要はありません。バックグラウンド・カラーには既にシーラーがはいっています。もし、ファイバーセメントボードが、多孔性に飛んでいる場合は、MM10ジェッソを下地として塗る事をお勧めします。仕上がった作品にはMM7ポリマーグロス・ワニスを塗って、作品を保護する事をお勧めします。もし作品が日光や、雨風にさらされる場合は、MM14ファイナルワニス・グロスフィニッシュをお使いください。
石
石は、砂や埃、油脂、油等を取り除きます。石の種類によっては、絵を描く事によって欠けてきたり、崩れたりする物もあります。ほとんどの自然の石は、MM12クリアー・シーラーか、MM7ポリマーグロス・ワニス、MM6ポリマーマット・ワニスで目止めが出来ます。マティスカラーはそのままシーラーの上から描く事が出来ます。又は必要であればMM10ジェッソを下地に塗る事も出来ます。仕上がった作品が、雨風にさらされるようであれば、MM15ファイナルワニス・マットフィニッシュかMM14ファイナルワニス・グロスフィニッシュを二層塗って、作品の保護をする事をお勧めします。


















